スーパーやコンビニなど、街中のいろいろなところで募金箱を見かけることがある。
普段から小銭などを募金するように心がけている人も多いのではないだろうか。
しかし、実際に募金してみたものの、集まったお金がどう使われるのか、私たちには知りようがない。
そこでここでは集まった募金がどのように使われているのか詳しく調べてみた。
募金の行方が気になる方は、ぜひ目を通してみて欲しい。
記事の内容
- 募金は本当に届くのか?コンビニの真実
- セブンイレブンの募金
- ファミリーマートの募金
夢の掛け橋募金の使い途
Famiポートの募金先 - ローソンの募金先
- 募金箱から横領されることはある?
- 問題は起こらない?
- コンビニでの募金がしやすい理由
- 募金は本当に届くのか:信用できるところに募金する方法
信頼できる団体の見分け方
全額を現地の活動に充てると表明しているところ - 横領されたことはあるのか
- 総括
執筆:GOKURAKU
母子の絆:困窮する母子家庭の救済・ひとり親の支援
募金は本当に届くのか?コンビニの真実
わたしたちの生活の中で、もっとも身近にある募金といえば、やはりコンビニにある募金箱だろう。
レジ横の募金箱にお金を入れたことがある人は多いだろう。端数のお金を募金するようしている人もいるかもしれない。
コンビニ募金から
はじまる朝😊#リモリモチャンネル#コンビニ募金#厄祓い#ありがとうと言われる習慣#感謝を忘れない練習 pic.twitter.com/mYKPOfW5cB— リモリモチャンネル (@rimorimo_ch) July 4, 2021
わたしは徳を積むためにコンビニとかで細かいお釣り募金してる🙌🏻✨
— 椿🌹 (@camelia_85b) July 25, 2021
今日はコンビニ募金をしてみた
正直恥ずかしかったけど
やった後の感想は
「なんかいいことしたな!」
っていう前向きな気持ちになりました
— たくはる@絶対定時で帰る看護師 (@rihanurse) July 19, 2021
そこでまずは各コンビニが、集まったお金をどのように使っているのかを調べてみた。
セブンイレブンの募金
セブンイレブンでは、一般財団法人セブン-イレブン記念財団を中心にして、さまざまな社会貢献活動を行っている。
大規模な地震や台風といった自然災害が発生した場合、災害支援のための店頭募金活動を行っている。セブンイレブン店頭の募金箱を利用して、災害支援のための募金活動を行っているのだ。
募金箱で集まった募金は、被災者または被災地の支援になるように自治体や行政府などに届けられている。
ファミリーマートの募金
ファミリーマートでは、「ファミリーマート夢の掛け橋募金」として、募金活動を行っている。この名称は、「お客様と社会的な活動を行うNGO/NPOとの”掛け橋”としての役割を担う」という意味でつけられている。
そのため、国内ファミリーマート全店に店頭募金箱が設置されている。
さらに募金箱で集められた募金に加えて、ファミリーマートからの企業寄付(マッチングギフト)を合わせて、各団体に寄付している。
大規模災害発生時には、これらの募金を「災害義援金募金」に切り替えて、被災地の支援に充てている。
夢の掛け橋募金の使い途
- 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
- 特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画WFP境界
- 公益社団法人 国土緑化推進機構
- 公益財団法人 米日カウンシルジャパンTOMODACHIイニシアチブ
また、ファミリーマートではマルチメディア端末のFamiポートを使っても募金ができる。画面から募金先をタッチするだけで簡単に募金することが可能だ。
Famiポートの募金先
- 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「セーブ・ザ・チルドレン募金」
- 特定非営利活動法人 国連WFP協会「WFP途上国食糧支援」
- 公益社団法人 国土緑化推進機構「緑の募金」
- 社会福祉法人 中央共同募金会「赤い羽根共同募金」
- 日本赤十字社「日本赤十字社 事業支援」
- 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)「環境保全活動支援」
- 特定非営利活動法人アクアプラネット「養殖サンゴの移植放流」
- 公益財団法人 ジョイセフ「途上国母子保健支援」
- 特定非営利活動法人 国境なき医師団日本「人道支援・緊急医療支援」
- 民間非営利団体 あしなが育英会「親を亡くした子供たちへの支援」
- 独立行政法人 環境再生保全機構「地球環境基金」
- 公益財団法人どうぶつ基金「どうぶつ基金」
- 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン「チャンス・フォー・チルドレン募金」
- 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本「アムネスティ日本募金」
- ファミリーマート夢の掛け橋募金
ローソンの募金先
ローソンでは、いくつかの募金先を用意している。
その1つが「ローソン緑の募金」だ。
1992年から活動しており、公益社団法人 国土緑化推進機構に寄付することで、森林を将来に残す活動を継続している。小・中学校・特別支援学校などにおける緑化活動や森林整備活動に使われている。
もう1つが「夢を応援基金(ひとり親家庭支援奨学金制度)」だ。
次世代を担う子供たちが夢に向かって活動できるように、奨学金やサポートプログラムを通じて支援を行っている。一般社団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会に寄付しており、中学3年生、高校1~3年生を対象学年として、返還不要で月額30,000円を給付している。
そして「夢の教室」募金がある。
ローソングループでは、2019年より、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)が運営する「JFAこころのプロジェクト『夢の教室』」を支援している。さまざまな競技の現役・OB・OGを夢先生として学校に派遣し、夢に向かって努力することの大切さや仲間と協力することの大切さを子供たちに伝えている。
募金箱から横領されることはある?
2018年にローソンの店員が、募金箱のお金をレジに入れていると告発するツイートがあった。
その動画では、女性店員が募金箱を横倒しにして、中に入っていたお金を取りだし、レジに入れる光景が撮られていた。
この動画を見た人たちが「コンビニが募金を横領している」と考えて、ネット上でも大きな反響を呼んだ。
しかし、実際のところ、これは通常業務だったのだ。
募金箱に集まったお金をレジに入金することで、最終的に本部に集約して寄付先に届けるようになっているそうだ。
そのため、動画に映っていた女性店員は別に横領していた訳ではなく、通常業務として作業をしていただけなのだ。
ローソン側の回答もしっかりあった上に、動画のツイートは間もなく削除されてしまっている。
ツイートした人は勘違いして動画をアップしたのだろうが、その動画を見た人は、今でもコンビニが募金のお金を横領していると考えていても不思議ではない。
こうした勘違いが起こらないようにコンビニ側でも気をつけて欲しいものだ。
問題は起こらない?
コンビニのレジ横にある募金箱は、しっかりと鍵がついており、簡単には開けられないようになっている。
そのため、店員がちょっと拝借しようと思っても開けることは不可能なのだ。
もちろん、強引に取ってしまうこともできるかもしれないが、そうなると立派な犯罪行為になってしまう。
そこまでのリスクを冒してまで、募金箱からお金を取ろうとするとは、なかなか考えがたいだろう。
コンビニでの募金がしやすい理由
コンビニ募金のしやすさは、募金箱の場所や形状が大きく関係しているといわれている。
コンビニにある募金箱は見た目が透明のため、すでにたくさん募金されていることが分かりやすい。
また、会計の直後ということもあり、おつりでもらった小銭が入れやすくなっているのだ。
寄付や募金というと、手続きが面倒なイメージがあるが、コンビニの募金は少額からでき、おつりをそのまま入れられることもあり、だいぶハードルが低くなっている。
募金は本当に届くのか:信用できるところに募金する方法
せっかく募金するからには、正しい使い途にお金が使われて欲しいものだ。
そこで信用できる募金先の見分け方を紹介する。これを参考にして、信頼できるところに寄付して欲しい。
信頼できる団体の見分け方
募金先が信頼できるかどうかを見分けるためには、以下の3点をよく確認して欲しい。
- 会計情報がオープンになっているか
- 法人格かどうか
- どんな活動をしているか明らかか
- 全額を活動に充てているかどうか
まずチェックしたいのが会計情報などがしっかりオープンになっているかどうかだ。
きちんとした団体ならば、集まったお金がどのように使われているのか、ホームページなどで公開している。
もう1つが法人格かどうかだ。
公益法人や認定NPO法人といった法人格がある団体は、行政庁や所轄庁の厳しい審査をクリアしていることになる。
さらに「公益」と名のつく団体は、公益目的事業の比率が50%以上である必要があるため、厳しく管理されているのだ。そのため、「公益財団法人」「公益社団法人」といった団体は、他のNPO法人などよりも、信頼度が高い。
また、集まったお金をどのような活動に使ったのか、しっかり報告してくれる団体を選ぶようにしよう。ホームページの更新がずっと止まっているようなところは信頼度が低い。
全額を現地の活動に充てると表明しているところ
団体の中には、寄付金の100%を活動のために使うと宣言しているところがある。
たとえば、有名なところでは日本赤十字社がある。
日本赤十字社に集められた義援金は間接経費がかからない。また、被災県に設置されている義援金配分委員会に全額送金されるため、他の活動に使われることは一切ない。
災害が起きたときに、どこに募金すればいいか迷ったならば、日本赤十字社の国内義援金を選べば、確実に被災地にお金を届けることができる。
もう1つが公益財団法人スクール・エイド・ジャパンだ。
スクール・エイド・ジャパンは「一人でも多くの子どもたちに人間性向上のため教育機会と教育環境を提供すること」を目的として活動している。
募金で集まったお金は、カンボジアやバングラデシュなどの、学校や孤児院の建設・運営、子供たちの給食の提供などに全額使われることになっている。
途上国の力になりたいと考えている人は、こちらへの募金をおすすめする。
横領されたことはあるのか
具体的にどのように使われているのか、なかなか私たちには分かりづらい募金だが、これまでに横領されたことはあるのだろうか。
2020年、滋賀県近江八幡市福祉協議会に寄せられた赤い羽根募金など118万円が不明になったことがある。
実はこのお金は、職員の50代女性が横領していたことが判明した。女性は懲戒解雇になっている。彼女の手によって赤い羽根募金、歳末たすけあい募金、日本赤十字社会費などに寄せられたお金が横領されてしまっていたのだ。
50代女性は、体調不良を理由に仕事を休み、その後、退職届を出した。その理由を問いただすと、この横領が明らかになった。
その後、彼女は全額返済している。
たくさんの人の善意を悪用した事件として、大きな反響があった。
こういった事件があると、ますます募金しづらくなる人が増えてしまうため、厳格に対応して欲しいものだ。
参照:京都新聞
総括:募金は本当に届くのか:信用できるところにしよう
今回の記事についてまとめておこう。
コンビニ募金で集まったお金の使い途
- セブンイレブンの募金はどう使われるのか
- ファミリーマートの募金はどう使われるのか
- ローソンの募金はどう使われるのか
コンビニ募金箱からお金を取ることは難しい
コンビニで募金がしやすい理由
信用できる募金先を見極めるポイント
- 全額を活動に充てている
- 会計情報が明らかになっている
- 公益と名がつく法人になっている
- 活動内容が明らかになっている
現実に起きた募金横領事件について
コンビニでの募金は普段の生活でも簡単に行える社会貢献活動の1つだ。
各コンビニによって、集まったお金の使い途が異なるため、自分の考えにあったところを選ぶようにしよう。
また、コンビニ募金箱はしっかりと管理されており、勝手に店員が取れないようになっている。そのため、安心して募金していいだろう。
記事中では、信頼できる募金先の見分け方もまとめているため、そちらも参考にして募金して欲しい。