母子家庭の子供への影響は大きい:女の子や男の子、父子家庭の特徴

母子家庭 子供 影響

今や結婚したカップルの三組に一組が離婚する、と言われる時代。厚生労働省の資料によると、日本の離婚率は令和元年の時点で1.69%という数値が出ている。この数値だけを聞いてもあまりピンとこない方が多いだろう。

そこで参考までに諸外国と比較してみる。

国 名 離婚率(%)
日 本 1.69
韓 国 2.1
シ ン ガ ポ ー ル 1.8
ア メ リ カ 2.9
フ ラ ン ス 1.93
ド イ ツ 1.79
イ タ リ ア 1.51
ス ウ ェ ー デ ン 2.47
イ ギ リ ス 1.8

引用:人口動態総覧(率)の国際比較(厚生労働省)

諸外国と比較すると、日本の離婚率はそれほどまでに高い数値とは言えない。韓国やアメリカ、スウェーデンは日本よりもはるかに高い数値である。

しかしながら、我々は身の回りで「●●さんが離婚した」と聞いてもあまり驚かない。それほどまでに離婚がポピュラーなものとなり、昔に比べると離婚に対しての垣根が低くなっているからだ。

ただ、いつの時代も離婚をするに際して避けられないのが「子供」という存在だと思う。子供がいない夫婦であれば離婚届を提出して「はいさようなら」で済むかもしれない。しかし子供がいるとなれば話は別だ。子供の養育費や親権、子供の心のケアなど問題は尽きない。

また、子供目線で両親の離婚を考えると、その子供の人格形成に影響を与えることが少なくない。

  • 片親で育つことが子供の性格にどのような特徴をもたらすのか
  • 結果、その特徴は子供たちの将来にどのような影響をあたえるのか

上記にコミットして解説しようと思う。

記事の内容

  • 母子家庭の子供への影響:片親でよく見られる特徴
  • 片親の子供が「おかしい」と言われてしまうケース4つ
    1.愛情に飢えている
    2.人に依存する or 甘えられない
    3.問題を抱え込む
    4.素行不良
  • 母子家庭の子供への影響:様々なケースで解説
    一人っ子の特徴
    女の子の特徴
    男の子の特徴
    父子家庭の子供の特徴
  • 母子家庭が子供にもたらす【ストレス・影響】
    ①愛情不足による【心理的ストレス】
    ②経済格差による【物理的ストレス】
  • 子供が結婚するときに【ぶち当たる壁】
  • 総括

執筆:TACHIHANA
母子の絆:困窮する母子家庭の救済・一人親の支援

母子家庭の子供への影響:片親でよく見られる特徴

まずは、「片親の子供」という大きな括りでよく見られる特徴を整理していこう。

ここでは父親、または母親のみと生活する子供の特徴を挙げていく。

  1. 愛情に飢えている
  2. 人に依存するor甘えられない
  3. 問題を抱え込む
  4. 素行不良

大きく分けると上記4つの特徴がある。

これらの特徴は片親で育った子供が成長し、やがて社会に出た時に円滑なコミュニケーションをとる際にしばしば問題として現れることがある。中には、「片親だからこんなおかしくなったんだ」と心無い言葉を浴びせてくる人もいるだろう。

では、なぜ「片親の子はおかしい」と言われてしまうのか。

この問題について考えていこう。

片親の子供が「おかしい」と言われてしまうケース4つ

片親に理解がない人は一定数存在する。

ではなぜ心無い言葉をかけられてしまうのか。その根拠はどこにあるのか。

上記で紹介した片親の子どもの特徴と絡めて分析していきたい。

片親の子供が「おかしい」と言われてしまうケース4つ

1.愛情に飢えている

片親で育つ子供の場合、どうしてもマンパワーが足りず愛情不足に陥るケースが多い。

夫婦そろった家庭の場合は、「母親ないしは父親が大黒柱として働き、もう一方は家庭第一で家のことをする」というように役割分担し家庭を維持することができる。しかし、片親の場合は二人分の役割を一手に担うため、どうしてもおろそかにしてしまう点が出てくる。そのおろそかになるものの一つが「愛情不足」である。

この愛情不足は非常に厄介な問題で、これが原因となり後述する「素行不良」「依存」などが表れてくる。

2.人に依存する or 甘えられない

人との距離感に対し、片親で育った子供は適切な距離を保つことが難しいケースが多い。

例えば、下記2つのパターンだ。

  1. 愛情不足により、親以外の自分を受け入れてくれた人に対し、依存レベルで執着する
  2. 甘えることができなかったため、一切人に甘えることができない

1900年代にアメリカのオグバーンという社会学者が、家族機能を7つに分類し、その中に「経済機能」「教育機能」「保護機能」「愛情機能」というものがある。

「愛情機能」については他のものとは異なり、【外部に委託できない機能】であり、欠如すると人格形成に支障を来たす厄介なものなのだ。ただ、この問題は解決とまではいかないものの緩和することはでき、「親以外の人との関り」が鍵である。

たとえ、親が十分に愛情を注げなくても祖父母や近所の人々、学校や施設など子供に関わる大人たちが拠り所となれば子供にとって少しは愛情不足を補う役割を果たしてくれる。

3.問題を抱え込む

甘えられないという特徴が結果的に「問題を抱え込む子供」になってしまう可能性が高い。なぜなら、人に【相談する・助けを求める】ということができず、深刻な問題を抱え込む悪循環に陥ってしまうからだ。

ポジティブにとらえると「我慢強く自立心がある」とも捉えられるが、本人は生き辛いと感じていると思う。そのため、こうした特徴を持つ子供には、対策として「周囲からの声掛け」が大切になるのだ。

親が子供を気にかけ、日頃よりケアしていくことは言うまでもないが、ひとりでは限界があるだろう。親子を取り巻く周囲の協力が不可欠となるわけだ。

特に、学校では先生たちの声掛けが有効である。学校生活において子供の様子がおかしいとき、先生たちからの声掛けによって子供の抱える大きな問題に気付くケースは多々あるからだ。

4.素行不良

片親に限った話ではないものの、世間には「片親=子供がグレる」というイメージがある。ひとり親は子供と向き合う時間が少なく、「だからグレちゃったんだね」と周囲に思われやすい傾向があるためだ。

実際、親が生活のために朝から晩まで働き通しであれば、生活自体は回るかもしれない。しかし、子供とじっくり話をする時間が少なければ、子供のヘルプサインに気付くことができず子供は親に絶望して、やがて素行が悪くなるものだ。

片親の場合は、こうしたマンパワー不足によりこの問題が起こりやすいため、「片親=素行が悪い子供」というイメージが付きまとってしまうわけである。

また、片親でなく両親共働きであっても働きづくめで子供を放置し過ぎてしまえば同じことは起きてしまうし、ネグレクトも同様だ。つまり、一概に片親が素行不良の原因というわけでなく、「子供との向き合い方」が重要なのだ。

母子家庭の子供への影響:様々なケースで解説

母子家庭の子供への影響:様々なケースで解説

「母子家庭、片親の家庭」とひと言でいっても、子供の性別や人数、母親か父親かなどは各家庭により異なる。

ここでは片親家庭の特徴についてもう少し細かくカテゴライズし、その特徴を掘り下げていきたい。

一人っ子の特徴

母子家庭で一人っ子として育った子供の特徴としては次の通りだ。

  • 一人遊びが得意
  • 母親との距離感が近い

兄弟がいない分、遊び相手がおらず自身で工夫するうちに一人遊びが得意になる。また、一人っ子ゆえに母親を独占することができ、母親との距離感が近い子供が多い傾向にあるようだ。

一人遊びが得意という面は良い点であるものの、放置し過ぎると周囲から悪い影響を受けてしまい、「素行不良」に繋がり兼ねないので注意してほしい。

女の子の特徴

母子家庭で育った女の子は比較的「世話好き」な傾向にある。母親が多忙で自身も家事を手伝うことが多かったり、長子なら兄弟の世話を経験していたりするからだ。

しかし、一方で「自分がしっかりしなければ・・」という考えにとらわれ甘えることができず、責任感の強さから神経質になってしまうケースも多い。

このように、母子家庭で育った女の子は面倒見は良いものの、一方で神経質になりがちという特徴がある。

男の子の特徴

母子家庭で育つ男の子は、「優しい」という特徴がある。多忙な母親を通し、子供の頃から苦労を間近に見ていることで、人のことを気にかけられるようになるためだ。その結果、穏やかで精神的に大人びた子が多くなるわけだ。

ただし、これも行き過ぎると「問題を抱え込む子供」になってしまうため、注意が必要なのだ。

父子家庭の子供の特徴

父子家庭の子供の場合、「自立心が強い」という特徴が顕著に表れている。母親という絶対的に甘えられる存在がないため、「自分でなんでもする」という気持ちが強く芽生える傾向にあるからだ。

また、母子家庭に比べると父子家庭は父親が仕事で多忙なケースが多い。そのため、必然的に家事や身の回りのことをする必要があり、この要因も相まって父子家庭の子供は自立心が強くなるということだ。

しかし、このタイプの子供は自立心、自己主張共に強いため、思春期には反抗が強かったり素行不良になりやすかったりするので注意してほしい。

このように、ひと言で「片親家庭の子供」といっても、子供の性別やおかれている状況により特徴は様々あり異なるわけだ。

母子家庭が子供にもたらす【ストレス・影響】

母子家庭の子供が感じるストレスは、大きく分けて2つある。

  1. 愛情不足による【心理的ストレス】
  2. 経済格差による【物理的ストレス】

順番に解説していこう。

①愛情不足による【心理的ストレス】

母子家庭は母親が多忙なので、甘えたり会話する時間が少なかったりする。そのため、子供が愛情に飢えた状態になりやすく、「自分は愛されていないのかもしれない」と感じてしまう傾向にある。

親から愛されていないと感じた子供は自暴自棄になり、やがて「素行不良」になる可能性が高い。また、目立った問題行動はなかったとしても、自身の中に悩みを抱え込んでいるのかもしれない。

②経済格差による【物理的ストレス】

母子家庭は経済的に困窮しているケースが多い。そのため、一般家庭の子供より金銭的に我慢を強いられることも多くなるわけだ。

例えば、「他の子はゲームやスマホを持っているのに自分だけ買ってもらえない」というストレスを感じることもあるだろう。他にも、本当は習い事をしたいのに一切できないといったケースも多々ある。

こうした経済格差からのストレスが原因となり、非行に走ったり不登校になったりすることもあるのだ。

このように考えると、母子家庭独自のストレスや家庭環境は、子供の人格形成に大きな影響を与えることがわかる。そして、片親で育った子供は「その影響による壁」に直面することもあるのだ。

子供が結婚するときに【ぶち当たる壁】

片親で育った子供が結婚するとき、次のような壁にぶつかることがある。

愛情に飢えて育ったため、パートナーや子供の愛し方が分からない

これには、下記のような原因があるからだ。

  • 甘え方が分からないのに子供はどうやって甘えさせればいいのか
  • 片親という劣等感から義両親との付き合いがうまくいかない

こうした問題を防ぐためには、パートナーの理解が欠かせない。そのため、結婚するときにパートナーに対して、上記問題を予め打ち明けておくことも大切になるだろう。

これを隠していると、その後の結婚生活が破綻する可能性もあるため注意してほしい。

総括:母子家庭の子供への影響は大きい

今回の記事では、片親で育つ子供の特徴や問題を挙げつつ、それが社会生活にどのような影響を与えるかなどを解説した。片親で育つことの影響はみな等しいわけでなく、家族構成や外的要因により異なることをご理解いただけただろう。

片親で育った子供は本来抱える必要のない問題に直面したり、世間から心無い言葉をかけられたりすることもある。ただ、その経験を糧にして大きく成長を遂げる子供たちも多数いるわけだ。

こうした子供たちの共通点は、問題を上昇志向へ転換できることだ。幼いころから逆境にさらされ乗り越えてきた経験が生き、結果的に大きな成功を掴む人が多く存在することを覚えておいてほしい。

片親で育った子供たちの問題ばかりに目を向けるのではなく、秘められた無限の可能性を信じるべきだろう。そのためには、周囲の大人たちの「子供が自己肯定感を高められるサポート」も重要になるのだ。

 

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