老後の一人暮らしは果たして孤独なのか? 独居老人と聞くと少々物騒なイメージであるように、老後の一人暮らしがいかに孤独なものであるか、今回は実情を交えて紹介していこうと思う。
本記事では老後の一人暮らしがどのくらい孤独を感じるのか、一人で暮らすシニアの生活、そして孤独な老後を過ごす人に共通している特徴を解説する。
ご自身の両親、または自分は関係ないと思ってはいけない。誰しも老後の一人暮らしで孤独を感じる恐れがあることを肝に銘じながら、本記事をぜひ最後までお読みいただきたい。
記事の内容
- 老後の一人暮らしは孤独:寂しいと思う理由3つ
①経済面が不安だから
②健康が衰えていくから
③社会との関りが減るから - 老後の一人暮らしは孤独:シニア女性の一人暮らしの実情
シニア女性の一人暮らしにはいくら必要か
老後の一人ぼっちが寂しいと思う女性は多い - 老後の一人暮らしが幸せと感じる声もある
- 老後の孤独感は誰にでもあるもの
- 老後の一人暮らし・孤独な余生を過ごす人の特徴4つ
①承認欲求が強い
②すぐ難癖を付ける
③趣味がない
④今もこれからも結婚する予定はない - 総括
執筆:NAKAGAWA
母子の絆:困窮する母子家庭の救済・一人親の支援
老後の一人暮らしは孤独:寂しいと思う理由3つ
老後の一人暮らしは孤独なイメージがどうしても強い。それは実際に一人で暮らす老人が孤独だと社会に訴えているからであろう。
一人だと身軽で気楽かもしれないが、背景には老人ならではの不安要素が存在する。
ここでは老後の一人暮らしが孤独、そして寂しいと思う理由について具体的に解説しよう。
①経済面が不安だから
老後の暮らしが寂しいと思う理由は「経済面」である。歳をとっても暮らしていく上でさまざまな出費が発生する。衣食住に関しては年齢関係なく必要経費だ。清潔な洋服を身に付けたいし、美味しいものを食べて健康に過ごしたい、居心地の良い住居に暮らしたい。これらをすべて叶えるには「お金」が必要なのである。
若い内は稼げる労働力があるから良いだろう。しかし、定年後職を失ったらどうなる?公的年金の支給はあるが近年ではあまり当てにできないと嘆く声が多い。では貯金か?
老後に遊んで暮らせるような貯金を持つ人が全員とは限らない。それに年齢を重ねるごとに、医療費や介護費も膨らんでいく。つまり、お金がないのは「怖い」ことなのだ。この恐怖から孤独や寂しさを感じるようになる。
②健康が衰えていくから
お金の次に考えられる理由は「健康面」である。年齢を重ねれば、体のあちこちに支障をきたすのは仕方のないこと。それは老人たちも重々承知の上である。本当に恐ろしいのは一人暮らしで誰にも頼れない時に倒れた場合なのである。
- 自宅でご飯の支度をしている時に倒れたら?
- お風呂で湯船に浸かっている時に持病の発作が起きたら?
- 寝ている間に心臓や頭が痛くなったら?
考えただけでもゾッとするだろう。一人暮らしなので、すぐに救急車を呼ぶなど対応してくれる人がいない。もちろん、自分で救急車を呼べる余力があれば良いが、倒れたり発作が起きたりした時点でそのような余力など当然ない。
老後の一人暮らしは周りが思う以上に孤独で寂しいのである。
③社会との関りが減るから
社会的に孤立するのも寂しいと思う理由の1つ。仕事一筋、バリバリと頑張ってきた結果、老後にいきなり一人になると孤独を感じずにはいられない。
男性の場合、定年まで勤め上げた会社では、常に自分の周りには社員がいて充実した日々を送ってきたことだろう。何かあれば「相談乗ってくださいよ」と頼られた経験も数知れずあるはず。それが定年後、いきなり一人になって誰にも頼られず、社会的接点がなくなってしまう。何と怖いことだろうか。
女性の場合も同じである。女性も男性に負けじと仕事をこなし、やがて結婚して子供を産んで育てて……となれば、自分の為に時間を費やすことはなかっただろう。老後になって「さてこれからは自分の時間!」と意気込んだものの、社会からは次第に孤立していき、外で会話をすることのない毎日。自分ってこんなに孤独だったのか?と絶望する人も珍しくない。
まして社会から孤立していくことで近所の目にも触れなくなり、生活をする上で困りごとがあっても誰を頼って良いのか分からなくなってしまう。その時にこそ「自分は孤独なんだ」と一人を思い知り寂しさが増すのである。
老後の一人暮らしは孤独:シニア女性の一人暮らしの実情
老後の一人暮らしは本当に孤独なのだろうか? 孤独を感じつつも一人の方が却って気楽だと感じる意見ももちろんある。
ここではシニア女性の一人暮らしの実情を紹介していこう。
シニア女性の一人暮らしにはいくら必要か
総務省統計局の調査によると、2019年の高齢者単身無職世帯(世帯主が60歳以上)の生活費は約14万円から16万円。実収入は約13万円前後なので、毎月の実収入だけでは最大3万円の赤字である。この赤字分をどう捻出するか、シニア女性は貯金などの資産を取り崩しながら生活するしかないのである。
老後の一人ぼっちが寂しいと思う女性は多い
今年57歳のAさんは、30年以上同じ会社に勤めるベテラン女性。年収は800万円、賃貸マンションでひとり暮らしです。長年、貯蓄にも励んで、会社の財形で800万円、銀行の定期預金に1200万円、合計2000万円あります。
Aさんは2022年からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入資格が65歳まで延びることを知り、「加入を検討したい」とのこと。iDeCoの金融機関はどこがいいか、運用商品はどう選べばいいのかなど、Aさんはしっかり勉強していました。でも、「老後のためにいくら貯めたらいいのか、全然わからなくて不安」
このように年収800万円で資産合計が2000万円もあると「老後は安泰ね!」といった声が聞こえてきそうだが、Aさん自身は老後への不安が尽きないと吐露する。
対して男性は楽観的な人が多い傾向にある。もちろん男性も老後の一人暮らしを案ずる意見はあるが、結婚して配偶者や子供がいる場合は最期まで看てもらえるという安心感があるのかもしれない。
一方で女性は男性よりも長生きする傾向にある。例え子供がいても介護の面倒は掛けられないと思う女性は少なくないのだ。そうなってくると、子供達は独立して自分の手を離れ、やがて夫を看取り、残された自分は一人ぼっちでどう生きていけば良いのかと悩むのも分かる。
老後の一人暮らしが幸せと感じる声もある
老後の一人暮らしに対する思いは決して暗いものばかりではない。老後の一人暮らしが幸せだと感じるパターンもある。
例えばブログサイトでおなじみの「にほんブログ村」では老後の生活を満喫するシニア達のブログが掲載されている。ある女性は時代小説にハマったり、ネット通販を楽しんだりする中で、体の不調とも上手に向き合っている。
また、ある女性は還暦を迎えたシングルウーマンで、日々の生活の中で見つけた幸せや感じたことを素直に綴っている。
老後の生活に不安を感じたら、このような前向きに生きる人達から活力をもらってみてはいかがだろうか。
老後の孤独感は誰にでもあるもの
老後の孤独感を抱くのは決して珍しいことではない。もちろん恥ずかしいことでもない。いい大人がびびって情けないと自分で自分を責める必要もない。老後への孤独感は誰しももっているものである。
理由についても先述した通り、経済面や健康面の不安をはじめ、社会からの孤立などがあるため、至極当然の感情だということを覚えておこう。
そして、孤独を感じながらも上手に付き合っているシニアもたくさんいる。
例えばある書籍では、60歳以上の460人にアンケートを取ったところ、家族と同居するより一人暮らしの方が満足しているという結果に。また、彼らには一人暮らしを楽しく続けるためのコツもあると明かす。このような書籍もあるので一度目を通してみるのも良いかもしれない。
今日は『老後はひとり暮らしが幸せ』を読んでいます。
ひとり暮らしを謳歌してるご老人の声、頼もしい!
七つの秘訣
・生活環境をできるだけ変化させない
・友達を維持する。信頼のおける人を持つ
・毎日何かやることをつくる
・できるだけ自分で何でもする
・ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす pic.twitter.com/52YicFgJHI— 高島千晶@楽天堂・豆料理クラブ (@chiakitakashima) February 24, 2021
ちょっと読んでみたくなった 『老後はひとり暮らしが幸せ』
これは老後と言うよりすでにもうその域に入ってる私読んでないけど そう思うの。 https://t.co/VQ4HWexRDQ
— おけい (@okei_kaiun) February 23, 2021
老後の一人暮らし・孤独な余生を過ごす人の特徴4つ
老後に幸せに暮らす人、反対に孤独な老後を過ごす人の違いは一体何なのだろうか。調べてみると、孤独な老後を暮らす人には共通の特徴が見られることが分かった。
ここでは孤独な老後を過ごす人の特徴を具体的に解説していく。
①承認欲求が強い
- 俺は会社で大きなプロジェクトに携わっている
- うちの子供、こんなにすごいのよ
普段から承認欲求が強く、他人に「褒めてほしい」と思っている人は要注意。自分を認めてほしいという気持ちは悪いことではないし、誰しももっている感情ではあるが、それを人に押し付ける性格だと老後は孤独になりやすい。
最初の内は周りも「すごいですね」「さすがですね」と褒めてくれるかもしれないが、何度も同じ自慢話を聞かされる方はたまったものではない。年々友人が一人減り、また一人減り、定年後を迎えた後で友人がいないことに気付くのである。
②すぐ難癖を付ける
いわゆるクレーマーも孤独な老後を過ごす人の特徴に当てはまる。店側がミスを犯してしまったら怒りたくなる気持ちも分かる。しかし、それには限度というものがある。
「店長呼んで来い」「お前みたいなアルバイトじゃ話にならん」「これだからゆとり世代は」「土下座して誠意を見せろ」など、必要以上に難癖を付ける人と誰が関りをもつと思うだろうか。あの人と一緒にいても恥ずかしい思いをするだけだから、と知らぬ間に距離を置かれてしまう。
気が付いたら身内や友人との間に分厚い壁が生じてしまい、それを壊すことすらできなくなっている。
③趣味がない
趣味がなく1日中家で過ごすような人も孤独化しやすい。人と接する機会がなくなるからである。反対に多趣味の人は孤独にならず、いつも周りには人の笑顔で賑わっている。静かに過ごすのが決して悪いことではない。定年までバリバリと勤め上げた人にとってはゆっくりと過ごしたいと思うだろう。
しかし、心身ともに健康を保つことや社会的関りをもつことも大切である。定年後に「これといって興味のある趣味が見つからない」という事態だけは避けたいものである。
④今もこれからも結婚する予定はない
現在独身で今後も結婚する予定のない人も要注意である。「おひとり様」という言葉が世に浸透しているように、独身を満喫する選択肢ももちろん悪くないと思う。しかし、老後のことについて考えておく必要がある。
老後は十分な蓄えがあるか、病気や怪我をしたら誰を頼れば良いのか、施設に入ることになったらどうするべきか。すべて自分で準備や手続きをする必要がある。
「老後?何とかなるでしょ」は家族がいる人が言えることで、今も今後も独身の人は先を見据えて行動した方が良い。
総括:老後の一人暮らしは孤独
記事のポイントをまとめよう
老後の一人暮らしは孤独・寂しいと思う理由
- 経済面が不安だから
- 健康が衰えていくから
- 社会との関りが減るから
シニア女性の一人暮らしには14万円から16万円が必要
- 実収入は13万円前後なので資産を切り崩して生活しなければならない
老後の一人暮らしを幸せだと感じる意見もある
- 日々の幸せなことをブログに綴るシニアも多い
- 「老後はひとり暮らしが幸せ」の書籍もおすすめ
孤独な老後を過ごす人の特徴
- 承認欲求が強い
- すぐ難癖を付ける
- 趣味がない
- 今もこれからも結婚する予定はない