子なしの老後は孤独:適切に備え夫婦の悲惨な末路を回避する

子なし 老後 孤独

子をもたないという選択肢は今の時代では決して珍しいことではない。夫婦で仕事に打ち込み、余暇を楽しむなど、夫婦生活を満喫する生活も悪くないだろう。しかし、それを楽しいと思えるのは若い証拠である。

今回は子なしの老後の孤独について考えてみよう。子なしの老後は孤独だと感じる理由は何なのか、果たして本当に子なしの老後は孤独になりやすいのか、そして子なしの老後を孤独化させない為にできることを解説していこう。

子なしの老後が不安な方はぜひ本記事を最後までお読みいただきたい。

記事の内容

  • 子なしの老後は孤独だと感じる理由
  • 子なしを怖いと思う理由
    ①老後の生活が不安だから
    ②経済面が不安だから
    ③誰にも看取られることなく死ぬ確率が高いから
  • 子なしの老後は孤独になりやすい?
    そもそも子なしの割合は?
  • 子なし夫婦は老後が悲惨?
    老後の面倒は?
  • 子なしの最期は?
  • 子なしの老後を孤独化させない為にできること
    子なし夫婦はコミュニティを大切にする
  • よかったこともたくさんある
  • 孤独死しない為に備えておく
  • 総括

執筆:NAKAGAWA
母子の絆:困窮する母子家庭の救済・一人親の支援

子なしの老後は孤独だと感じる理由

そもそも、子どもをもつ人に比べて子なしの老後が孤独だと感じる理由はどこにあるのだろうか。

ここでは、子なしのどこが怖いと感じるのか理由を詳しく解説していく。

子なしの老後は孤独だと感じる理由

子なしを怖いと思う理由①老後の生活が不安だから

子なしを怖いと思う理由で一番多いのはこれではないだろうか。若い内は体の自由も利くし、経済面でも稼げる為、子なしが足枷となることはまずない。しかし、40代や50代と年齢を重ねて健康面に不安を感じるようになると、老後の生活はどうすれば良いのか突如として我に返るようになる。

もちろん、子どもがいたからといって老後の面倒を100%見てくれる保証はない。しかし、自分の健康や生活を気に掛けてくれるような子どもがいるのといないのとでは違ってくる。

「このままでは老後は孤独になる……」老後の生活に不安を覚えるのは大抵子なし夫婦なのである。

②経済面が不安だから

子なしを怖いと思う理由の2つ目は経済面である。生きている以上、衣食住にはどうしてもお金がかかる。働ける内は何とかなるものの、年老いて体が思うように動かなくなったらどうすれば良いのか。

もちろん、老後は年金で悠々自適に暮らすのも悪くない。しかし、それは数十年前の話であって、今働き盛り世代の人が貰える年金など微々たるものだと言われている。

経済面が不安だから

そうなってくると、蓄えていた貯金に頼るしかない。子どもがいれば資金援助してもらったり、同居して節約したりもできるが、子なしはそれができない。誰にも頼れず自分の力で生活費を捻出するより他ないのである。

③誰にも看取られることなく死ぬ確率が高いから

子なしを怖いと思う理由の3つ目は「死」に関することだ。「死ぬときはどうせ1人だから」とは言っても、子どもがいれば最期は看取ってくれることも期待できるだろう。子なしの場合はそれすらも期待できない。

夫婦で子なしの場合は生きている方が看取ってくれるが、遺された方はどうなる? そのまま1人で孤独死を迎えることになるだろう。独身子なしの場合はパートナーがいない分、もっと悲惨かもしれない。老後は早めに老人ホームへの入所を検討するなど、早い段階での準備が必要となる。

子なしの老後は孤独になりやすい?

子なしの老後はやはり孤独になりやすいのだろうか?

ここでは子なしの老後について具体的に考えてみたいと思う。

今現在子なしの人は自分の生活に置き換えて想像してみていただきたい。

子なしの老後は孤独になりやすい?

そもそも子なしの割合は?

そもそも子どものいない夫婦は全体の何割程度なのだろうか。

「出生動向基本調査」は5年ごとに行われている調査である。最新の調査結果は2015年。コロナの影響なのか定かではないが、2020年には調査は行われておらず、2021年に調査が再開されるようである。

今回は2015年の調査結果を見ていただきたい。

  • 子ども0人:6.2%
  • 子ども1人:18.6%
  • 子ども2人:54.0%
  • 子ども3人:17.9%
  • 子ども4人以上:3.3%

参考までに2005年のデータも見ておこう。

  • 子ども0人:5.6%
  • 子ども1人:11.7%
  • 子ども2人:56.0%
  • 子ども3人:22.4%
  • 子ども4人以上:4.3%

こうして見てみると、10年の間で子なしの夫婦が増えているのが分かる。そして、2人や3人、4人以上と子をもつ夫婦が減っている分、子ども1人の夫婦も子なし同様に増えている。

2015年のデータでは子なし若しくは子ども1人を合わせると約25%、2005年のデータでは子なし若しくは子ども1人の夫婦は合わせて約17%、いかに少子化が進んでいるかが顕著となっている。

引用元:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」

子なし夫婦は老後が悲惨?

子なし夫婦は子をもつ夫婦に比べると老後は悲惨なのだろうか? 結論から言うと「そうとは限らない」のである。ただし、子をもつ夫婦に比べると準備は早い段階でしておくべきかもしれない。

理由として、相手に先立たれた場合、今後の生活はすべて自分でこなさなければならない。子どもがいれば子どもに相談できるが、子どもがいないので頼れる人がいない。頼れるのは自分だけなのである。

日々の生活はもちろん、施設に入ろうと思ったら手続きはすべて自分である。また今まで住んでいた家の処理も必要となる。持ち家の場合は売却となるし、賃貸の場合も解約手続き、いずれにせよ面倒な手続きを済まさなければならない。

相続についても準備や知識不足だと自身が損をする。相手が亡くなった場合、夫婦に残された財産はすべて自分のものだと思うが、実際は親や兄弟姉妹で分けることになるので、配分がかなり減るパターンもある。この辺りについても後々損をしないために自身で準備をしておかねばならない。

老後の面倒は?

老後の面倒は?

子なし夫婦が一番大変なのは「老後の面倒」である。若い内はパートナーが年老いていく姿などあまり想像できないだろう。しかし、年月が経つのはとても早い。つい最近まで元気だったパートナーの足腰が急に弱まり、あれよあれよと寝たきりになる場合もあるのだ。

そうなった時に面倒を見るのは自分しかいない。子どもがいれば若い体力に任せることもできるが、子どもがいない以上は自分で介護をするしかない。

食事や散歩などの介助はまだ良いだろう。入浴や排せつの介助となったら目を背けたくなることもある。それでも介護に向き合わなければならない。子なし夫婦を脅すわけではないが「介護に疲れた」という理由で相手を手に掛けてしまう痛ましいニュースも全国で起きている。

子なしの最期は?

子なしの老後が孤独だと感じる理由でも触れたように、子なしの最期は孤独死になる確率が高い。パートナーが健在であれば、もちろんパートナーが看取ってくれるが、先立たれている場合はどうにもならない。子どもがいない以上、子どもに最期を看取ってもらうこともできない。

しかし、これについてはあまり悲観しなくても良いと思う。子どもがいても「疎遠」「遠方住まい」を理由に最期を看取れないケースもあるからである。子なしだから絶対に孤独死を迎えると過度に怯える必要はないと言えるだろう。

子なしの老後を孤独化させない為にできること

最後に子なしの老後を孤独にならないようにできることをいくつか紹介しておこう。

老後の孤独をなるべく避けたい方はぜひとも参考にしていただきたい。

子なしの老後を孤独化させない為にできること

子なし夫婦はコミュニティを大切にする

子どもの有無に限ったことではないが、外でのコミュニティへの参加をおすすめする。普段から活発にコミュニケーションをとっておけば、万が一の時でも誰かがすぐに駆け付けてくれるので安心できる。

「そういえば〇〇さん最近見ないね」「心配だから様子を見に行ってみよう」となるので、最悪の場合自宅で亡くなっていても知人が早い段階で発見してくれる。

興味があるコミュニティに入るのが一番だが、最適なのは子なし夫婦専門のコミュニティである。子どもがいる人の多いコミュニティに入ると、話題の中心は子どもとなるので孤立しやすくなる。その点、子なし夫婦にターゲットを絞ったコミュニティであれば、孤立することはまずないし、子なし夫婦ならではの悩みにも共感してもらいやすい。

また、こういったコミュニティを利用することで老後の孤独化を避けるための知識を得ることもできる。最初はなかなか足が進まないかもしれないが、少しでも興味があればコミュニティに参加してみよう。

よかったこともたくさんある

よかったこともたくさんある

子なし夫婦はデメリットばかりが目立ってしまいがちだが、子なしだからこそのメリットもたくさんある。子なしでよかったことを活かして、老後の孤独化を避けていこう。

子なしでよかったと思う人の意見を調べてみると、

  • 自分の為に時間を使える
  • 子どもがいる家庭に比べて自由に使えるお金が多い
  • 子どもに関する悩みに縛られなくて済む
  • 夫婦がいつまでも恋人気分でいられる
  • 面倒なママ友付き合いやPTAに参加しなくて済む

などなど、子なしだからこそのメリットがたくさんある。とはいえ、「ラッキー」と思うだけで終わらせず、老後への備えをしっかりとしておこう。

子なし夫婦はお金と時間の自由が大きなメリットである。子どもがいない以上、教育費にもお金が掛からない。よく子どもを1人育てるのに1千万円掛かると言われるが、その1千万円を老後の資金に貯めておくなど工夫を忘れずに行おう。

孤独死しない為に備えておく

孤独死はどうしても避けたい。そんな人こそ元気な内に準備をしておこう。

教育費の代わりに老後の資金を貯めておくと先述したが、その他にもしておきたい準備はたくさんある。例えば「保険の見直し」も老後の準備の1つとなる。無駄に保険を掛けていないか、反対に掛けるべきところに保険が掛かっていないなら早急に見直す必要がある。

他にも「死後事務委任契約」を検討するのもおすすめだ。「持ち家の売却」「賃貸アパートの解除」など、自身が亡くなった後の手続きを司法書士や行政書士のような専門家に依頼することができる契約となっている。

子なしで頼める親せきも近くにいないなら、こういった対策を考えておくのも1つの手段である。

総括:子なしの老後は準備次第では孤独にはならない!

記事のポイントをまとめよう

子なしの老後を孤独だと感じる理由

  • 生活面
  • 経済面
  • 孤独死の確率が高い

子なしの老後は孤独になりやすいのか

  • 子なし夫婦は増加傾向にある
  • 老後が悲惨だと言われるが準備次第では回避できる
  • 子なし夫婦は老後は相手の面倒を見なければならない
  • 孤独死しやすいものの、子どもの有無はあまり関係ない

子なしの老後を孤独化させない為にできること

  • 子なし夫婦のコミュニティに参加する
  • 自由なお金と時間を老後の生活に活かす
  • 保険の見直しなど元気な内に準備をしておく

 

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