寄付の仕方:適切な封筒や文章の書き方、少額寄付や学校・義援金など

寄付の仕方 封筒

これまでにお世話になった施設や、支援したい団体などに対して、寄付をすることがあるかもしれない。寄付は、日常的なことではないため、正しいマナーがどういったものかよく分からない人も多いはずだ。そこで、寄付をする際に覚えておきたいことや封筒の選び方、表書きの書き方や寄付する際の文章などについて詳しく解説していこう。

慣れないことでマナー違反をしないよう、正しいやり方をぜひ覚えて欲しい。

記事の内容

  • 寄付の仕方、封筒を使う際に覚えておくべきこと
  • 少額寄付にはどんな封筒を選べば良い?
  • 団体に寄付する際の封筒や書き方
  • 義援金として渡す際の封筒や書き方
  • 学校への寄付金に使う封筒
  • 寄付の仕方、封筒に金額を書くときの注意点
  • 寄付金に使うお札について
  • 寄付金以外の白封筒の書き方とマナー
  • 後からお金を渡すとき
  • 寄付の時に使う水引きは?
  • もし書き間違ってしまったときは
  • 寄付金を渡す時の文章について

執筆:GOKURAKU
母子の絆:困窮する母子家庭の救済・一人親の支援

寄付の仕方、封筒を使う際に覚えておくべきこと

贈呈、寄付、寄贈と似たような言葉がいくつかあるが、それぞれの違いをご存知だろうか。

「贈呈」とは、学校などの公共性が高いところに品物を贈ることであり、「寄付」とは組織や団体などに対して、金銭または品物を贈ることだ。

「寄贈」は、学校や病院などに品物を贈る意味である。

少額寄付にはどんな封筒を選べば良い?

少額寄付にはどんな封筒を選べば良い?

寄付をするとき、募金箱があれば、なにも包まずにそのままお金を入れれば問題ない。しかし、手渡しでお金を渡す際には、何かに包んで渡すのが一般的だ。

例えば、お寺や神社に寄付をする場合は、仏事以外なら「紅白の水引きがついたのし袋」「白い封筒」などを使うことが多い。こうした封筒はコンビニなどでも販売されているので入手しやすい。

封筒の中に入れるお金は、折り目やシワなどが入っていない綺麗なお札を使うようにしよう。封筒に直接お金を入れるのではなく、奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)に包んで入れるのがマナーだ。

なお、封筒の表書きは、どういった名目で寄付するかによって異なる。

例えば、お祝い事や感謝のしるしとして寄付する場合は「御祝」「御礼」と書き、通常の寄付なら「御寄進」「奉納」と書くのが一般的だ。

団体に寄付する際の封筒や書き方

支援したい団体に対して寄付をする場合は、のし袋ではなく、白い無地の封筒で問題ない。また、お寺や神社とは違うため、奉書紙に包む必要もない。

注意したいのが、結び切りの水引きがついた封筒だ。結び切りのものは、「今後一切寄付はしない」という意味合いになってしまうからだ。そのため、相手に不快感を与えないよう蝶結びの水切りを選ぶようにしよう。

封筒の表書きは「御寄付」または「志」と書けばOK。「金一封」と書くこともあるが、「御寄付」や「志」と書いた方が相手に与える印象が良いと思う。

義援金として渡す際の封筒や書き方

義援金として寄付をする際には、のし袋などは使わずに、白い無地の封筒を使うのが一般的だ。のし袋についている水引きが義援金の場合は、不謹慎な意味合いになってしまうため、使わないように気をつけよう。最近では、義援金専用の封筒もあるため、そういったものを使っても良いだろう。

また、神社お寺、団体への寄付は綺麗なお札が基本だが、義援金の場合は、「古いお札」を入れるのがマナーだ。綺麗な新札だと、「前もって用意しておいた」という意味合いとなり、相手に不快感を与えてしまうからだ。

金額については、「4・6・9ではない数字」を選ぶようにしよう。「4」は「死」、「6」は「無」、「9」は「苦」を意味するためであり、こうした数字は選ばないよう注意することが大切だ。

なお、表書きの書き方は「御見舞」と書くのが一般的だ。「震災見舞」「災害見舞」といった書き方をすることもあるが、「御見舞」と書いておけば、どんな場合でも失礼にはならないため、迷った場合は「御見舞」にしておこう。

学校への寄付金に使う封筒

学校への寄付金に使用する封筒は、のし袋か金封が一般的だ。

寄付の場合、どちらを使っても問題はないが、包む金額によって使い分けることが多い。1万円を越える場合は「金封」、1万円未満の場合は「のし袋」を使うようにしよう。

表書きで気をつけたいのが「寸志」という言葉だ。「寸志」とは「心ばかりのもの」というへりくだった意味合いとなり、敬語の種類でいうと、謙譲語に当てはまるからだ。寄付を渡す場合にふさわしい言葉でないため、使わないほうが良いだろう。

こうしたことから、表書きは「御寄付」「金一封」と書くのが一般的である。

学校への寄付金に使う封筒

寄付の仕方、封筒に金額を書くときの注意点

金封を使って寄付をするとき、中の封筒にお金を入れて、封筒の表面に金額を記入することになる。

金額については、大字と呼ばれる旧字体で書くことが多い。

  漢数字 大字(新字体)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
100 陌・佰
1000 阡・仟
10000

例えば、1万円の場合は「壱萬圓」となる。

また、圓の後に「也」と書くことがあるが、これは円よりも小さな金額があったころの名残である。

圓の後ろに数字が書き足されないようにするための表記方法であるため、現在は使わないことが多い。

寄付金に使うお札について

寄付金に使うお札について

寄付金に使用するお金は、きれいなお札を使うイメージがあるが、必ずしも新札を使うわけでもない。

たとえば、結婚式に渡すご祝儀の場合は、新しい門出を祝うために前もって準備をしていたという意思を表すため、新札を包んだ方が良いだろう。

一方、義援金として寄付する場合は、新札ではなく、古いお札を渡すのが一般的だ。もちろん、あまりにボロボロなものはよくないが、多少折り目がついているくらいで問題ない。

前述の通り、新札は「前もって準備していた」という意思表示になってしまうため、義援金が必要になるよくない行事に使うのはふさわしくないということだ。

また、きれいなお札の中にも「新札」と「ピン札」という種類がある。

「新札」は銀行で発行されてから、まだ使われていない紙幣のことを指し、「ピン札」は、すでに流通はしているものの、折り目などがついておらず、見た目がきれいなものを指す。

なお、寄付行為は直前までタイミングが決まっていないことも多い。そのため、新札でなくてもマナー違反になることはないので、ピン札を使っても問題はない。

もし、新札が必要な場合は、銀行で「新札をお願いします」と伝えれば渡してもらえるので覚えておこう。また、結婚祝いでは連番の方が「縁起が良い」「縁起を担ぐ」と言われており、銀行は未使用のお金をまとめて保管しているため、まとめて新札を頼むと連番であることが多い。

寄付金以外の白封筒の書き方とマナー

寄付金以外でも、さまざまなシーンでお金を手渡すことがでてくる。

例えば、社会人になると歓迎会や忘年会、新年会といった行事が増えてくるので、会費を支払うことがあるだろう。こうしたとき、お金を裸のまま渡すのはマナー違反となるため、封筒などに入れるようにしよう。誰のお金かが分かるよう、名前を記入しておけば相手側も管理しやすいだろう。

また、お茶や着物の着付けといった月謝袋の指定がない習い事もある。この場合、白い無地封筒にお金を入れるのがマナーであり、封筒の表書きには「月謝」と記載し、その下には自分の氏名を書くようにしよう。

他にも、ダンスやカラオケなどの習い事は、茶封筒を使ってもOKだが郵便番号の記入欄がないものを使おう。

後からお金を渡すとき

複数人で贈り物などを買ったときや、食事や買い物の代金を立て替えてもらったときなどは、後からお金を渡すことがある。このとき、必ず「誰が」「何のお金」「いくら渡したのか」をはっきり記載しておこう。

一方で、何も記載しないで渡す場合は、封をせずに封筒を手渡し、その場で中身を確認してもらうのがスマートなやり方だ。

そして、基本的にお金を渡すときは茶封筒ではなく、白い無地の封筒を選んだ方が無難だろう。茶封筒は業務で使われることが多く、どうしても事務的な印象を与えてしまうからだ。特に上司や先生など、目上の人にお金を渡す場合は、無地の白封筒を選ぶようにしよう。

なお、お札を入れる向きは、肖像画が描いてある面が表になるようにし、複数枚ある場合は、必ず向きを合わせておくのがマナーなのだ。ただし、不祝儀の場合は、肖像画を下にして新札を使わないようにすることが多い。

寄付の時に使う水引きは?

寄付の際に使用する水引きは、紅白の花結びか、あわじ結びのどちらかを選ぶようにする。

花結びは「何度あっても良いこと」という意味で使われる。

寄付する相手と関係が今後も続きそうな場合は、あわじ結びを選んでも良い。あわじ結びは「末永くつきあう」という意味合いがあるため、慶事や弔事に使われることが多い。

結婚以外の慶事で水引きを用いる場合は、紅白のものを使うのが一般的であり、結婚式で使う場合は、金や銀がマナーとなる。

もし書き間違ってしまったときは

普段から書き慣れていないと、書き間違ってしまうこともある。もし、間違ってしまった場合は、強引にごまかして書くのは相手に対して失礼だ。そのため、のし袋などで書き間違ってしまった場合は、新しい封筒に書き直すようにしよう。

また、のし袋の中にあるお金を入れる封筒で書き間違えてしまったときには、改めて他の白い封筒に書き直すのが適切だ。

この封筒は、文具店やネット通販などで簡単に入手できるため、あらかじめ余分に買っておくのがおすすめだ。慶事と弔事のどちらでも使うことができるため、何枚か持っておけばいざというときも安心なのだ。

このとき、白い無地の封筒なら問題ないが、郵便番号を記入する赤枠が入ったものは使わないのがマナーだ。

寄付金を渡す時の文章について

寄付金を渡す時の文章について

お歳暮などを贈るとき、あわせて添え状を送ったことがある人は多いだろう。

では、寄付の時にも添え状は必要なのだろうか。

結論から言うと、寄付の際に添え状は必要ないし、改まった文章を書かかなくても良い。寄付というものは、受け取る側に前もって知らせるわけでないため、添え状を送らなくてもいいというのが一般的だからだ。

もちろん、絶対に書いてはいけないというわけではない。もし、添え状を書きたい場合は、以下の項目を記載するようにしよう。

  1. 宛名
  2. 頭語
  3. 時候の挨拶
  4. 前文
  5. 結語
  6. 日付
  7. 自身の名前

長々とした文章を書く必要はなく、上記7つの項目が書かれていれば、相手に失礼になることはない。

総括:寄付の仕方、封筒の書き方やマナーについて

このように、寄付する相手により選ぶべき封筒や表書き、中に入れるお札などは変わってくるのだ。一方では正しいマナーであっても、もう一方では誤ったマナーになるケースもあるため、目的にあった封筒を適切に選ぶようにしよう。

寄付行為は頻繁にあることではないものの、覚えておいて損はないと思う。

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